ロゴのデザイン決定!失敗しないための選び方 

 ロゴのデザインを決定するまでの流れ

失敗しないロゴのデザイン選び方やコツ

弊社が企画している家のシリーズ、「リンクハウス」のロゴがこのたび決まりました。

コンペを開催したのですが、驚くことにデザイナーの方々から150近い提案が集まりました。嬉しい悲鳴を上げつつも、どのような基準で選ぶべきか、企業にとっての商品のロゴとは何か、深く考えるきっかけをいただきました。多くの作品の中からたった一つに絞る作業は楽しいようでいてとても苦しく、社内でのそれぞれ異なる意見に翻弄され流され、ああでもないこうでもないと試行錯誤を経て、その末でロゴに求める自分なりの軸がはっきりと決まり、結果満足のいくコンペとなりました。
会社としても自分としてもとても濃くいい経験をさせていただき、コンペでご提案いただいたすべてのデザイナーの方に、心から感謝を申し上げます。

1 募集設定・コンペ開始
・ロゴをコンペ形式で決めた理由
・イメージカラーやタイプを指定するか否か
2 各デザイナーさんから提案が集まる
・ロゴの提案は多ければ多いほどいいのか
3 選定・候補を絞込み
・それぞれの社員がロゴに求めたこと
・高級感VS親しみやすさ
・スタンダードVS奇抜なもの
4 採用・ロゴの色など修正

・採用の決め手になったのは
・全種類!あらゆるパターンで修正を試せ
・名刺、看板、プレゼン資料……ロゴを使うシーンを想定する

これからロゴを決めようと思われる企業の方に、参考になるかは分かりませんが、弊社でどのようにロゴが決まったのか、コンペ開催から募集、選定、修正、決定までの流れをご紹介します。失敗・後悔しないためのコツなど、参考になればと思います。

1 募集設定・コンペ開始

ロゴをコンペ形式にした理由

・デザインなどの知識に疎い
・ロゴへの具体的イメージがあまりない
・懇意にしているデザイン会社もいない

とにかく「こういうイメージで……」というロゴへの希望が最初の時点で皆無だったため、多くの幅広いデザインを見られるよう、コンペ形式で作成することになりました。ちなみにクラウドワークスという(仲介?)会社に登録し、コンペを開催しました。
そういった仲介企業は他にランサーズという老舗もあるようでしたが、クラウドワークスがプロのデザイナーが多いというクチコミに流され、あっさりとクラウドワークスに決定しました。

登録などを経て、募集のための入力画面へ。そこで第一の分岐点が訪れます。ロゴのタイプや希望のイメージ、色などを設定するかどうかです。

ロゴを発注する前の準備や心構え

コンペを募集するときにはさまざまなこちらの要求を伝えることができるのですが、結論から言うと、弊社はほとんど条件をつけませんでした。自分はデザインの素人ですし、この色でこういうイメージ、と限定するよりも、「へえ、こういう色使いって意外にいい!」「なるほどこのパターンもアリかな…」といった予想外で新鮮な提案・驚きも楽しみたかったからです。

ですがやはり、コンペ開始前に、ある程度の軸やイメージ、ロゴの役割を明確にしておくことをおすすめします。実際にその条件・要求をデザイナーさんに伝えるかどうかは別にしても、自分の中で「ロゴに求める要素はこれ」という基準がないと、のちのちの選定作業が非常に難航します。

それは例えて言うならば、何も見えない広い海をコンパスも地図もなしに彷徨っている状態です。「ロゴに求めるもの」という自分の基準はのちのち変わっていくこともありえますが、最初の基準すらないと、「どこをどう流されて変わったのか」すら見失うので、「ただ何となくいいと思った」だけでロゴを決めてしまうことになりかねません。

個人的は、ロゴ選びではもちろん直感も大事ですが、それプラス「どのようなコンディションでも必ず同じ選択をできる」という動かない指針があってこそ、直感が生きると思います。

さて、長くなりましたが、具体的な色やイメージの設定作業を紹介します。

ロゴの具体的イメージや色の設定

ロゴのデザインの失敗しない選び方のコツ

ロゴのタイプというのは、下の図のようにいろいろあって非常に勉強になりました。こんな風に系統立てて考えたことがなかったので、新鮮でした。最初はすべてにチェックを入れていましたが、さすがにデザイナーさんの方でも困ると思い、最終的に「ワード」「ピクチャー」「エンブレム」の3種類に絞って募ることにしました。
企業のロゴデザインで失敗しない選び方のコツ続いて「希望のイメージ」です。見事なくらい指針がありませんね…。

 

 

企業のロゴデザインで失敗しないための選び方のコツまた、色についての指定も特になしを選びました。用途としてはホームページやリリース資料、を想定していたのでそこにチェック。
そして多くのデザイナーさんの目に留まり、応募してもらうにはタイトルが重要と考えて「家のロゴ!」とシンプルで分かりやすい一文を冒頭にもっていきました。コンペ期間も、より多くの作品に出会えるように2週間と長めに設定。

こうしてコンペが開始されました。

2 各デザイナーさんから提案が集まる

弊社では「リンクハウス」という住まいのシリーズのロゴを制作することになりました。コンペでは、デザイナーの方々から150近くの提案が集まりました。本当に感謝、感謝です。

提案は多ければ多いほどよいのか

最初の30くらいの提案が集まるまでは、社内では純粋に喜んでいました。「この色使いがおしゃれ」「ロゴへの熱い思いをこんなに語ってくれて感激!」など、どちらかといえば外野的な感想で盛り上がっていました。

最初は私も、各ロゴとデザイナーさんのメッセージ、社員の感想などを一覧表にしたものを作成していましたが、提案が50を超えたあたりから一旦中断。あまりにも提案数が多すぎて、あふれるロゴの嵐に右往左往することになります。それもこれも、ロゴへ詰め込む要素や統一イメージが、社内で定まっていなかったからです。

ここにきてようやく、私たちは「ロゴの選定基準」を真剣に考え始めたのでした。

   >> 次のステップ [3 ロゴの選定・候補の絞り込み]

 

 


手嶋照沙(てしまてれさ)執筆者  手嶋 照沙(てしま・てれさ)

インターステーション 一級建築士事務所。インテリアコーディネーター。
独身女性専用の一戸建て「Figona(フィゴーナ)」を企画。